下級てき住みやかに

銀杏婆さんの優しさに触れながら。

この時期になると、我が家には、風物詩となった銀杏婆さんが訪れる。嫁の介護施設に入所している爺さんの奥さんだ。

爺さんが体調を悪くしたため、数年前に、役場の計らいで、嫁が管理している介護施設にやってきた。

旬な食材を、コミュニティバスに揺られながら一生懸命に届けてくれる。

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やっぱり、今年もがっつりと臭い。
銀杏の独特の臭いに未だ、馴染めない。

 

 

腰を60度ぐらいに曲げた婆さんが、トボトボと家を訪れる。ビニール袋に敷き詰めた銀杏を持参して。

『奥さんに、いつも、爺さんがお世話になっております。銀杏を持ってきたから、食べてください。』

『いつも、すみません。』丁寧にお礼を言う。

 

一生懸命にイチョウの実を拾っていたんだと思う。

民間の介護施設は、需要と供給があってこそ、成り立っている。そもそも慈善事業ではないから、お礼は必要ない。

求めてはいけないし、求めてもいない。

でも、否定しても、肯定してくる高齢者と、その家族。嫁は何も言わなくなった。

『ありがとう』魔法の言葉だけでいいと思える。

 

いただけるものは、ありがたく。あざーす。

 

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商品券であったり、カタログギフトであったり、家で作った農産物だったり。自宅に届けられてくる。

銀杏婆さんもね。ただ、自分のできる範囲内で、気持ちを伝えたいのだと思う。本当に、何と言っていいかわからないけど申し訳ない。

▼注文しない限り、相手に請求がいかないと勘違いしている人もいますが、お金は事前に払っているので...。勘違いしていたバカチンは..嫁ですけど。期限もありますからね!

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『嫁は職場にいるんで、施設まで送りますよ。旦那さんも待っていると思います。あと、お米を貰ってください。たくさん頂いてますので。』

婆さんの手からは、イチョウの実の酪酸とペプタン酸が染み付いた臭いがする。

落ちたイチョウの実を拾い集め、数日間、水に漬け込みながら、柔らかくなったところで、銀杏を取り出しては天日干しをする。かなりの重労働。


5kg 程のお米を袋に詰めて婆さんに手渡す。

お米は、少しばかりの生活の足しにでもなればと思っている。お米も、他の家族さんからの頂き物だ。

そして、嫁が勤務する施設まで車で送り届ける。

帰りは、嫁が婆さんを自宅に送り届けてくれるだろうから…。

デジャヴ体験をしているかのように、何年間も同じ事を繰り返しているようだ。銀杏を頂いては、お米をあげて、家まで送り届ける。

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婆さんには子供がいない。

平屋建ての小さな古びた町営住宅に、爺さんと静かにひっそりと暮らしていた。現在は、婆さんが一人で暮らしている。

爺さんが、施設に移る時に、荷物整理を手伝って欲しいと嫁に頼まれて、二人で行ったことがある。

職人だった爺さん。少ない国民年金で、婆さんは生計を切りもりしていた。でも、仕方がないこと。国民に対しての、現時点での平等な評価だから。

 

平屋の玄関の軒先に、半畳程の畑があり、アサツキなのか、ノビルなのかわからないネギ科の植物がびっしりと植えてある。

婆さんは、味噌とあえて、ご飯を食べるのが好きだと言う。美味しいとは思う。でもなんとなく切ないよ。

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町営住宅の横には、錆びれた公園があり、大きなイチョウの木が何本も植えてある。婆さんがいつも銀杏を拾ってくる木だ。

銀杏を地域の農産物を販売しているところで売れないものか、聞きに行ってみたりしたこともある。

登録料とかいろいろあるみたい。手軽にメルカリだと500gで送料込みで800円。

現金にでも出来れば、婆さんの生活の足しになるんだけど。圧倒的に量が足りないみたいなんだよね。

僕が、銀杏をあまり好んで食さないから、一石二鳥だと考えていた。残念。

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銀杏は、紙袋に入れて電子レンジでチンする。殻が割れてホクホクの緑色の銀杏に塩をかける。 最近は、ローソンセレクトのおやつコーナーにある、揚げ銀杏をみよう見まねで作ってみたりもした。

 

相手を思いて、収穫している姿を想像すると泣けてくる。だから、嫁とノルマのように食している。

秋の訪れと共に、銀杏が家に舞い込んでくる。銀杏婆さんの優しさに触れながら、苦手な銀杏を少しずつ食べている。なんか....微妙。

 

飽きたね~。もとい
秋だね~。

 

あんまり減らないのだ…。(*'ω'*)

でもね。気持ちは蓄積されていくんだよ。それは、忘れないように生きていきたいんだよ。大切なことだと思うからね。

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