下級てき住みやかに

爺さんと豚皮と 忘れぬ想いを胸に抱いて

もし、革靴を必死に咥えている高齢者を見かけたならば頭のいかれた老人だと思う。

『食べ物ではないと止めるかも知れない。』

『見てみぬふりをするかも知れない。』

08/15日「戦没者を追悼し平和を祈念する日」

人には忘れられぬそれぞれの大切な思いがある..。

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年中無休の仕事漬けになりつつある嫁から、豚皮を買うのを忘れたから買ってきて欲しいと連絡が入った。

 

豚皮かぁ...。需要がないから
売っていないんだよ..。

 

 

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爺さんと豚皮と

嫁の勤めている介護施設のサービス付き高齢者向け住宅に96歳の爺さんがいる。
数年前に入居してきた、とても元気な人だ。

8/15日の終戦記念日には、必ず豚皮を準備して欲しいと必死にせがんでくる。歎願してくるという表現の方がむしろ正しいとさえ思える。

豚皮を洋裁で使うわけではない。単に豚皮を食したいのだという。

初めて話を聞いた時は革靴を食べると言っていた。認知ではないのかと施設で気にかけていた模様。

靴は履くものであり食べ物ではないと思うよ。

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たまたま、嫁の職場にパソコンを設置する作業に出向いた際、爺さんに尋ねたことがある。

革靴を食べなければいけない理由..。なるほど..。

大切にしなければいけない爺さんの想い。

僕が準備するよう指示してみるから。うん、革靴を食べて下さい。

 

食べると言っても、既に総入れ歯の高齢者。

噛み切る力もない。食したいわけでもない。
口に含んで豚皮を噛みさえすれば本人は納得する。

洋裁用に販売している皮は、食用ではないため工業用の薬品が滲みこませてあるかも知れない。

とはいえ、大型スーパーに出向いてみても、食用の豚皮は需要がないため入手することも困難である。

口に含んでも安全、かつ、味付けのない未加工の純粋な豚皮が欲しい。

求める素材は、ペットショップに販売されていた。

それでいい。一人の男が大切にしたい儀式だから。

 

友への弔い

08/15 終戦記念日に、ペット用の豚皮を爺さんに渡すために嫁の勤務する介護施設に届けに行った。

爺さんは、その豚皮を柔らかくなるまで煮込む。

柔らかくなったであろう豚皮を口に含みながらガムのように噛みだす。コラーゲンを摂取して若返りたいわけでもないんだ。

 

爺さんは、大東亜戦争(太平洋戦争)を経験している。当時の日本には、帝国主義植民地体制を打破するという大義名分もあった。

戦地へと赴き、多くの戦友とも出逢う。

大義名分よりも、共に日本に帰るということだけを夢見ていた。

爺さんの戦友が、空爆で被弾した時に、助けれなかったことをずっと悔やんでいるのだという。あの時、手を差し伸べていれば...もしかしたら...。

 

戦争だから自分の命を守ることが大事。たらればを繰り返しても....。爺さんを慰めたかったけど、僕は戦場を経験していないから、何も言う資格なんてないと思えた。

食料もなく餓死寸前だった時に、戦友の軍靴を剥いで、煮込んで食料にして生き延びてきたことを聞いた。ただただ、生きるために....。

 

昨日の食事を思いだすことも困難。でも、豚皮を噛みしめるたびに、70年以上も前に遡る情景が目の前に浮かんでくると、爺さんは静かに語っていた。

身体に沁み込んでしまった恐怖と後悔は、老いても忘れることはできない。

戦友を弔いたいがために、豚皮を噛み続けて生きていく。なんか切なかった..。

 

あとがき 

爺さんが涙を流しながら豚の皮を噛んでいた。

友を弔うために涙を流す。体験談を聞きながらウルっときた。

 

でも、時より口から離脱してしまう入れ歯に笑ってしまったけど..。
トゥルンって...。爺さんゴメン。
壺に入って結構こらえてた。

 

それでもね。思い切り笑って過ごせる時代でありたいと願うんだよ。笑えることが幸せだと思う。

 

日本を少し離れれば諸外国では考えもつかない状況に陥っている。

いつも、明るい情報を振りまいてくれるトルコ在住のAyako さん。クーデターにトルコリラの大暴落。日本では想像すらできない。

id:Ayako28

jp-ayakolife.hatenablog.com

 

現在、貿易戦争が真っ只中。関税には関税で対抗するという悪循環。

欧州連合も中国もアメリカに対して対抗措置を講じている。日本も決断を迫られると思う。今後の日本の行く末を決めていく重大な決断だと思えるよ。

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