下級てき住みやかに

私の分まで生きて

今週のお題「あの人へラブレター」

生まれた時から、いつもずっと側にいてくれた。幼馴染でちょっぴりお転婆だった女の子。初めての友達。初めての恋人。初めての…。

兄弟のように、家族のように、誰よりも共に時間を過ごしてきたように思う。彼女が16歳の若さでこの世を去るまでは。

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白血病に侵されながらも、無菌室病室(クリーンルーム)で必死になって書いてくれたメモの切れ端。

『私の分まで生きて』

名刺サイズの透明な、ラミネートフィルムに包みながら、今もなお、大切なお守りとして肌身離さずに財布に保管している。生きろという遺言。

大切なものを入れるから、財布には、いつもお金をかけている。一度も躊躇したことはない。

 

身体が凍えるように寒いと言っていた彼女。病気が治ったら南の暖かな国に行くと二人で決めていた。

彼女が亡くなった日。二人分の人生を胸に刻みながら生きていくと決める。受けとった命と共に。

高校を卒業後に進学も就職もせずに、放浪の旅に出かけると決めていた。学校にとっては進学率も就職率もある。今に思えば迷惑な話だったとは思う。

オーストラリア、ニュージーランド、フィージー、ニューカレドニア。働きながら転々と渡り歩いてきた。

良き出逢い、良き思い出もたくさんある。振り返れば本当に良かったと思える。

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時は、知らない間に過ぎ去っていくものだ。

二人分を生きていくと決めてから、30年弱の月日が経過した。思い出は、既にうろ覚えとなり、ぼんやりとした曖昧な記憶しかない。

それでも、彼女との出逢いは、自分が自分らしく生きていくための、大切な基準値を残してくれたと思っている。今となっては感謝しかない。

 

毎年、定期的にお墓参りにいく。

若い頃は、小さな紙切れに、その時の心境を書き記して『郵便きたぞ』と笑いながら、彼女だけが眠る、真新しいお墓の隙間からポストインしていた。

今に思えば、恥ずかしい限り。一体、何をやっていたのだろうか。少しも笑えないよ。そのうち、そっと取り戻そうと考えている。

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自分を立ててくれる嫁がいて、娘達にも恵まれた。

大した怪我も大病もせずに、今日を生きている。平凡だけど、絵に描いたような幸せがある事に、ひたすら感謝をしている。

なんとなく、人よりも老化が遅いのではと感じてしまう今日この頃。ひょっとして、寿命が加算されたのかも…。なーんて呑気に思ったりもする。

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『あの人へラブレター』 

もし、本当に送ることが叶うのであれば、愛だの恋だの女々しさという感情ではなく伝えておきたい。第二の人生も何とかよろしくやっている。

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心からありがとう。
これからも好きだと伝えたい。

 

お題を見なければ、お墓に手紙をポストインしていたことをすっかり忘れていた。やれやれだ。自分宛の備忘録として、恥ずかしながらブログに記しておくことにした。

 

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