下級てき住みやかに

ファーストペンギンになれなくて。天秤にかけずに飛び込む勇気が欲しい。

猛威を奮っている大雪。

通勤中にみかける車の事故。横転した車に、スタックして身動きが取れなくなっている車。雪国ならではの光景だ。

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道路に雪が降り積もり、車のタイヤで幾度も踏み固められていくと、わだちが出来てデコボコとした圧雪の雪道へと変わっていく。
ハンドル操作に長けていようが、電車が線路の上だけを走行するかのように、自然にわだちへと誘導されてしまう。雪道を走行するには、それなりのノウハウと慣れが必要になってくる。

 

通勤途中の道。遠くの方で、スタックして身動きが取れなくなった車を見かける。
何台もの車が横を通り過ぎ去っていく。スタックした車のドライバーは、不安に思いながら、ひたすらに手を差し伸べられる瞬間を待っている。

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人の行動とは不思議なもので、最初の一人が動かない限り、なかなか行動に移ることが出来ない。
最初の一人である誰かが動けば、導かれるように行動が連鎖していく。
最初に飛び込むファーストペンギンに憧れを抱く。

 

自分の車がスタックしている車の方へと、だんだん近づいていく。
スタックしているというより、既にカメさんの状態である。カメというのは、車体の腹が雪に乗りあげてタイヤが路面に設置せず空転する状態をいう。

アクセルワークでは既に脱出は出来ない。けん引、もしくは、数名で押さなければ脱出は不可能だ。

 

スタックした車の目の前に来た。ドライバーとの視線をあえて外して考える。
「助ける? それとも、見捨てて素通りする?」
万が一の渋滞に備えて、余裕を持って家を出てきたつもりではいる。

しかし、安易に手伝って時間を要してしまえば、確実に遅刻してしまう可能性もある。見ず知らずの人のために半休を使うのも躊躇する。

僕は、天秤にかけながら、スタックしている車の横を素通りしてしまった。仕方がない。こちらとて、損得感情の諸事情はある。
もやもやした気持ちが残りつつ、バックミラーをみると、数台ほど後ろを走行していた車が停車して声をかけている。

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よかったね。頑張れ……。頑張れ?
「ん?誰が、頑張るの..。」僕もじゃないのか…。


先日「飛び込む勇気」と題したブログを読む。

(id:yumi-fields)

yumi-fields.hatenablog.com

新しい事にチャレンジすることをタイトルとした内容だったけど。「自分の背中は最終的に自分で押さないと何も始まらない」言葉が痛い。

“ファーストペンギンはおいしい”と、勝手ながらにコメントを書き込んでいる。

既に自分の言葉に責任を持てていない状況。全く持って情けない。自分の言葉には、しっかりと責任を持ちたい。

やれやれ、何かと面倒臭い性格だよ…。


直ぐに、近くの路肩に車を止め、スコップと牽引ロープを手に取ってスタックした車の方をみる。常用している牽引ロープは飾りじゃない。使うことでこそ道具は呼吸を開始する。

およそ、50メートル。悩み抜いて、僕が逃げ出した距離。中途半端な距離に笑う。時間は有限。出勤時間は待ってはくれない。さて急ごう。

吹雪の中を走って戻る。往復100メートルの罪と罰が与えられた。0メートルで、直ぐに声をかけてあげられるファーストペンギンになりたい。

セカンドペンギンで現場に到着。ペタペタと雪の上を転ばないように走った。ペンギンだよ。

明日は我が身の雪国の掟。持ちつ持たれつでなければいけない。車が横転しているわけではない。JAFを呼ぶには早すぎる。

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スタックしている車のドライバー、そして、ファーストペンギンは僕より少しだけ若い。
「車がカメになっているから牽引した方が良さそうですね。一応、牽引ロープを持ってきました。」

作業するための流れを二人に問いかける。

 

ファーストペンギンは相槌をうち、躊躇せずに自らの車にフックをかける。僕は、スタックした車にフックをかけ、パーキングからニュートラルに入れるように指示する。

阿吽の呼吸の連携プレイで数分で作業終了。たったこれだけのこと。

スタックしたドライバーは、病院に急いで向かっている途中に車が身動きできなくなったらしい。

そして声をかけられるまで、およそ20分間、立ち往生していたのだという。

「急ぎますので、今日は本当にありがとうございました。心から感謝します。」丁寧に挨拶をされる。

「お気をつけて」ファーストペンギンも去って行く

「僕も会社に行きます」自分の車へと向かう。

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朝の時間帯は、皆が会社通勤の途中ではない。それぞれの諸事情がある。

人生が大きく変革するような、危険と隣り合わせの大海原に飛び込むファーストペンギンになるつもりはない。もちろん、そんな器を持ち合わせてなんていない。ましてや善人になりたいわけでもない

優しい水たまりに躊躇せずに、最初に飛び込めるくらいの、ちっぽけなファーストペンギンにはなりたいと思う。

人に感動を与えれるような歌も歌えなければ、たくさん納税できるような力量もない。最低限ではあるが、僕が僕に付加価値を付け、生きていくためのポリシーにしていきたいから。

 

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