下級てき住みやかに

暴走族と優しさと。本当に暴走して去っていった人に言いたいよ。

休みの日には、介護施設に入所している義母と叔母の施設を回る。必要なものがないか職員さんに確認しながら、少し顔を出して握手をしてくる。

「うん、元気そうだ」

施設に向かうときは、車ではなくバイクで移動することが多い。裏道をすり抜けながら短時間で巡ることができるから。介護だけではなく、自分の時間を取ることも大切だからね。

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介護施設から家への帰り道。交差点で停止しているところに、後ろから5~6台のバイクの集団がやってくる。片田舎の地元の暴走族だ。

横に並ばれ、顔を見るなり、ちょこんとバイクを足蹴りされる。「チッ。」
負けじと彼らのバイクを足蹴りして挑発する。

「おらっ!かかって来いやー。」吹き出して笑う。そして、近くの駐車場に誘導してバイクを止める。

ちなみにガジェット1号を紹介する。俗にいう教習車で使われるバイク。CB400SF 年代もので古い...。

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片田舎の暴走族リーダーである彼がバイクから降りてくる。そして「会長〜久しぶり」と声をかけてくる。

いやいや、呼び方が誤解を招く。「総長」みたいに聞こえてしまう。元PTA会長と呼んでくれ。

地元の暴走族の非常にうるさい子供達。図体だけ大きくなりやがって。僕が小学校のPTA会長をしていた頃に低学年だった子供達。人様には迷惑をかけるなと散々説明してきたはずだ。

たわいもない世間話をする。ははっ。馬鹿だ。

うんちく

バブル景気前の CBX400F 名車中の名車に彼は乗っている。
どうでもいいけど、改造をするな!純正部品は絶対に保管しろ!塗装は厳禁!命令する。
綺麗にすれば数百万の値がつくビックリバイク。何で?

「昼飯を食べに行こうか?奢るから」彼らを誘う。

「ご馳走になりま〜す。」

しかし、ルールだけは事前に伝えておく必要が彼らにはある。難しくはない。一般ルールだから。関白宣言風に説明しとくよ。

かなり厳しい〜話もするが〜俺の本音を聞いておけ。

  • 俺より先に出ては行けない。♪
  • 空ぶかしをしてはいけない。♪
  • 車線をはみ出してはいけない。♪
  • 挑発行為も超絶いけない。♪
  • 忘れて〜くれるな〜。♪

僕は、20年以上ゴールド免許を守り続けている。運転技術と強運は伊達じゃない!

「俺について来い!よろしく。」ぶろろ〜ん。

制限速度で、顔馴染みの元PTA副会長のラーメン屋へと向かう。至って健全な若者とのツーリングだよ。

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相変わらず暇そうだ。醤油ラーメンも塩ラーメンも不味いと地域住民には定評がある。不味さの向こう側を通り越しても不味さしかない。太鼓判を押す。

しかし味噌だけは超絶の味。「うまし。ウマーベラス」味噌だけ売ればよい。

若い子達は遠慮を知らない。唐揚げ、レバニラ、八宝菜…。好きなだけ食べな。見ているだけで胃もたれするよ。でも、店主が久々の注文で嬉しそうだから

フランチャイズ店に入れる程、彼らを教育していないから、店主のお店でお願いします。

味噌ラーメンをすすりながら、現在の状況を聞く。

「どう?ばあちゃんは元気か?」

「相変わらず、口がうるさいっす。」

「じゃ、よかった。いつか、介護が必要になってくると思うから、その時は相談しにきなよ。」

「はい。」

ラーメンを食べ終わり集会?を解散する。

前置きが超長くなった。

小学校のPTAの子供達の集まり。彼が頻繁に倒れていた事を思い出す。

彼の父親は女を作って逃げた。そして、母子家庭となり気がつけば、彼の母親も男に血迷い子育てを放棄して出て行った。

小学生の頃から、ばあちゃんが一人で面倒を見ている。ご飯を食べていないことも多かったけど、ばあちゃんは責めれない。

中学校に入ると彼は荒れる。不良のレッテルを貼られ地域住民からカス見たいな存在で、扱われるようになっていく。

そして、気が付けば、彼は暴走族と呼ばれるようになっていた。展開が読めるチープなドラマのようなストーリー。

僕は、公道を爆走する暴走族を擁護する気はさらさらない。社会で共存する以上はルールが必要。例え彼であっても同じ。暴走行為は認めてはいない。

しかし、それ以前に、子を放棄してしまう彼の両親が本当の暴走族だと思う。色欲に暴走した両親。理由はどうであれ子供を放棄した。

婆さん、ヨロシク!笑えるわけがない。

彼もまた、逃げ場を失って出口を探すために走り続けているのだと思う。行動自体は誤っていると思うが。

ばあちゃん想いのとっても優しい子。

ばあちゃんの誕生日に一輪の花を買う彼を、僕は白い目で見る気はない。その彼を捨てた親を僕は白い目で見ている。

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彼は、日雇いの肉体労働者として、ばあちゃんを懸命に支えている。勉強が好きだとか嫌いだとかいう以前に高校に行けないんだよね。

ばあちゃんの懐事情を考えているから。

頭が悪いから、学校は嫌いだからと強がって反発する。子供の考えを見抜けないほど僕は馬鹿じゃない。

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僕は彼に言う。自分の生まれた環境のせいにしてはいけない。親がどうだとか、親が憎いとか、その段階で立ち止まっていては成長なんて出来ない。

与えられた環境を理解して自分の意思で変えていく。それぞれの人生だから、やらなきゃいけないことが、そもそも論で違う。だから、人には平等で始まるスタートラインなんてない。人は生まれ持って平等ではあるわけがないから。

暴走するなら、バイクで人を追い越すんじゃなくて、気持ちで人を追い越していきな。
くすっと馬鹿にされつつも頷いてくれたこと。僕は嬉しかった。

人は見た目なんかじゃない。真の優しさを持っている彼。色欲の暴走族で家を出ていった彼の両親に一言だけ伝えたい。あんたの息子は立派になっていくよ。子供を見捨てたことを絶対に後悔するって。

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